2023年に直木賞を獲った垣根涼介の歴史長編小説をようやっと読み終わった。
長かった・・・ 500ページを超え、しかもページ上下2段でボリュームが凄い。
各ページの余白は驚くほど狭く、かつて読んだ本の中でも長編に属する。
かみさんのお薦めで、時間はかかったけど、なかなか面白かった。
さもノンフィクションであるかのような錯覚に陥るほど精緻なフィクションである。
思えば、会社生活で経験した権謀術数が繰り広げられる世界に似たものを感じる。
日本人のDNAなのかねぇ・・・
平安時代から鎌倉時代に移り、鎌倉幕府の崩壊と室町幕府の成立初期が描かれている。
南北朝に至った背景も理解することができた。(頭の中では、鎌倉時代→室町時代)
なかなか入試の日本史知識だけでは知る由もなかった歴史が紡がれている。
ふ~ん、そんなことがあったの という事柄が次々に展開されていく。
教科書、参考書だけからでは窺い知れない。(受験のために読むべきではないかも?)
本は出だし、尊氏が幼少期に由比ヶ浜で遊んだところから始まる。
足利尊氏が鎌倉生まれということは初めて知った。
ウィキで確認すると尊氏の出生地は不明とされているが、
どうやら鎌倉生まれという可能性はあるようだ。
青砥橋の由来を説く話があり、青砥橋を地図で確認するとここだったのという場所。
「青砥橋」というバス停もあるようだ。
しかし、このあたりからは由比ガ浜まではかなり距離がある・・・
行動範囲はかなり広かったようだ。
後醍醐天皇、皇子の護良親王が敵方のやんちゃな人物として登場し、
その絡みで、鎌倉の浄妙寺や大塔宮(鎌倉宮)、理智光院などが登場する。
浄光明寺が、後醍醐天皇に対して尊氏が謀反の意志がないことを示すために
謹慎していた寺というのも知らなかったことのひとつだ。(フィクション?)
少し涼しくなってきたら、鎌倉の寺をよく調べたうえで、また散歩してみよう。
その時には、北條でビーフシチューでも・・・