彼女に出会ったのは、学生の頃に住んでいた私鉄沿線の小さなレコード屋だった。
本人ではなく、LPレコードのジャケットの彼女。
レコードをめくっていたら偶然見つけた。
誰だか知らず、歌も聴いたことがなかったけど、即買いした。
理由はあるんだけど、ちょっとここには書けない・・・
家に帰り、レコードに針を落として衝撃を受けた。と記憶している。
ただただ驚いた。なんて声なんだ。
ペイパー・ムーン、砂時計、白い午後が好きだった。
それからカセットテープに落としていつもクルマの中で聴くことになった。
周囲の友達に紹介しまくった。
そして新宿のルイードに通った。
「こんなにちっちゃかったの・・・」驚きだった。
髪はレコードジャケットよりも短くしていた。
下北沢のペイパー・ムーンにも「淋しがりや」じゃないけど行ってみた。
別に別れ話をすることもなかった・・・ ただ行ってみたかった。
あぁ、こうやってじわじわと想い出が閉じていくんだなぁ・・・
ありがとう。いい声、いい曲だった。
闘病中というのは聞いていた。
ご冥福をお祈りします。
しかし、今年は逝く人が多いなぁ・・・